コラム

症例報告 臼歯部1歯欠損

下顎第1大臼歯は、最も失われるのが早い歯です。いわゆる「6歳臼歯」といわれ最初に生える永久歯であり、気づいたときにはむし歯になっていることも珍しくありません。10代のうちにむし歯→神経の除去を行ってしまい、20-30代で抜歯にいたることが非常に多い歯です。 その時に安易に前後の歯を削ってブリッジにすることにより、前後の健全な歯が同じ運命をたどることは容易に予想されます。そして40-50代でブリッジが駄目になり、義歯を使い始め、さらにばねをかけている歯が・・・・・という悪循環におちいり、どんどん歯を失っていきます。 50-60くらいの年齢で治療に非常に苦労される方が多いですが、苦労の最初は第1大臼歯のむし歯→欠損から始まっています。 早期に最小限のインプラントによる介入が有効な方法と考えられます。 症例は41歳男性 左下第1大臼歯の歯髄は10代で除去されています。根の先端の腫脹を繰り返しており、抜歯となりました。両隣在歯は健全で、ブリッジのために切削することを避ける方針としました。 OPG1.jpg  抜歯4ヵ月後、インプラントを埋入しました placement.jpg OPG2.jpg インプラント埋入6週後に型を取りました   6Wafter.jpg imp.jpg  アバットメント(土台)を立て、セラミック冠を装着しました。  abut.jpg restration.jpg   少数欠損において早期にインプラントを埋入し残存歯を保護することは、欠損拡大の予防、歯列のメインテナンスにとても有効な方法です