コラム

ITI world symposium in Geneva

火山爆発で帰れなかった話ばかりでしたが、学会そのものはとても素晴らしい物でした。

world symposiumは、3年(4年)に一度開かれ、現在のインプラント 歯学の到達点及び今後数年の方向性がメインテーマになります。

今回のテーマは

1日目が「診断と治療計画のための新しい臨床アプローチ」

2日目が「新しく実証された治療法」

3日目が「合併症と問題点」

でした。

CTとそれを利用したシミュレーションソフトによる診断、治療計画。そしてガイドサージュリーの現在の評価と今後の展望はとても興味深い物がありました。おそらくこの分野が今後数年で劇的に変化する分野と思われます。

一方新しい表面性状やジルコニアチタンのハイブリッド材料などは興味深いのですが、おそらく日本で認可されるのがいつになるのかは見込みがありません。この点で明らかに日本は不利です。日本の患者さんは医学の進歩の恩恵を受けることができません。異常なことだと思います。 実現が困難なルールを自ら作りそれを守ることに精力を使い果たしクリエイティブなことが出来なくなる。それを打破しようとする者の足を引っ張るような風潮、その結果国際的な競争力は落ち込んでいく。おかしな社会です。中国に抜かれると騒ぐ暇があるなら、余計なことに精力を使い疲れ果てることから脱却し、本来の仕事に集中させてほしいです。日本人の勤勉さを有効な部位に集中したら、間違いなく世界一になれると思います!

話がそれました。   

インプラントはここ数年で著しく普及しました。しかしインプラントは100%の成功率と言うことはなく、社会全体でインプラントの総数が増えていると言うことは失敗したインプラントも増えていることを意味しています。どのような場合にどのような失敗があるのかを科学的に明らかにするのは現在の大きなテーマです。3日目の講演では、現時点で明らかになっていること、今後明らかにしなくてはいけないことを提示していました。

勝山先生曰く「インプラント歯学はかつてのトライアル的な治療から国民医療として非常に重要な役割を担うようになってきた。インプラント治療はもはやシステムや機器などのハードウェアによってではなく、教育および科学によって展開していくものとなった」(ITInewsより) というのがITIの基本的な考え方です。  

この言葉を心に刻み、まだまだ研鑽していかねばと誓ったジュネーブの数日間でした。